うつ病相の症状

うつ病相の症状

たとえば、あるうつ病の症例の場合、診断の3か月前から、憂うつ、食欲不振、焦燥感、不眠、胃腸障害、頭重(ずおも)(頭が重く感じられる症状)などが見られました。特に午前中は特に症状がひどく、夕方になると気分は回復する、といったように1日のうちでも変動がみられました。

ある期間持続する一定の病状を「病相(びょうそう)」といいます。躁うつ病では、躁状態またはうつ状態が起こっている時期(それぞれ躁病相とうつ病相といいます)が、正常な状態である中間期をはさんで周期的に繰り返されます。
うつ病相の症状、躁病相の症状と、それぞれありますが、まずはうつ病相の症状についてチェックしてみます。

うつ病相の症状

悲哀感が症状の中心となります。気分が落ち込み、いつもゆううつな表情を浮かべています。全体的に活気のなさが目立ちます。
さらに、思考能力の停止(物忘れ、考えがうまくまとまらない)や、何もしたくない、考えたくないという活動意欲の低下なども目立ちます。自殺願望が生じる危険があるので、周囲の人は注意が必要です。うつ状態にある人に対しては、「がんばれ」という激励はかえって逆効果を招くことがあります。身体症状としては、自律神経系(じりつしんけいけい)の障害(頭痛、肩こり、食欲不振、便秘、めまい、手足のふるえなど)を訴えることがしばしばあります。最も多いのは、不眠です。特徴的なのは、早朝覚醒(そうちょうかくせい)といって、朝早くに目覚めてしまう症状です。