病前性格と体型

病前性格と体型

躁うつ病の原因としてチェックすべきものはたくさんあります。環境的な要因も多く作用しますが、遺伝的要因も関与することが指摘されます。
また、体型や性格との関係を示唆する研究もあります。

性格というとき、それは「病前性格」のことです。統合失調症(かつて、精神分裂病と呼ばれていたもの)や、躁うつ病の人の発病前の性格には、多少、その精神障害の特徴と共通点がみられるのです。
これを「分裂気質」「循環気質」「執着気質」などと呼びます。

このタイプのうつ病にかかり易い「病前性格」は、頑張り屋さんで責任感が強いタイプといわれます。

たとえば、現代病のひとつとされ、ストレスが大きく絡んでいるうつ病に「仮面うつ病」があります。身体症状(頭痛や背中の痛み、など)を前面に出すけれども、その原因はうつ病にあった、というものです。

体型による分類は、「クレッチマーの体型分類」が有名です。
クレッチマーは、体型を@肥満型、Aやせ型、B闘士型、C発育異常 の4つに分けました。そして体型と気質、精神疾患の関連性を指摘したのです。

たとえば、双極型躁うつ病(うつ状態と躁状態が交互に現れるタイプの躁うつ病)になりやすいのは肥満型で、情け深く、社交的な性格、行動は活発、しかしときに落ち込むこともある、これを「循環気質(じゅんかんきしつ)」といいます。
一方、単極型うつ病(うつ状態だけが現れるタイプ)になりやすいのは、きちょうめんで、仕事熱心、こり性、これを「執着気質(しゅうちゃくきしつ)」といいます。また、自分に厳しい人、これを「メランコリー性格」といいます。