躁うつ病

躁うつ病

躁うつ病のチェック
躁うつ病の場合、診断の根拠となるチェックすべき明白な身体的な症状がありません。そのため精神症状あるいは経過から判断することになります。そのさい、うつ状態や躁状態が脳の器質的な障害など、他のやまいから生じているものではないことを明らかにするための「鑑別診断」が重要となります。

躁うつ病(そううつびょう)は、悲哀感を主とした「うつ状態」と、爽快感を特徴とする「躁状態(そうじょうたい)」があらわれる感情の障害です。
この病気には、遺伝的、性格的要因が大きいとされていますが、病状が落ち着くと、正常な人格に戻るのが普通です。

躁うつ病の経過と予後
躁状態とうつ状態のそれぞれの病相は、数週間から数か月とさまざまです。しかし「いずれにしても良くなる」のは事実です。とはいえ、長期的にみると常に再発の可能性があり、爆弾を抱えて暮らししているようなものといえるでしょう。そのため予後を推定することは困難です。
躁状態とうつ状態の両方の病相をもつものを「双極型」、うつ病相あるいは躁病相だけをもつ「単極型」といいます。一般に双極型よりも単極型のほうが長期的な予後はよいといわれます。

病巣・・・ある期間持続する一定の病状のことをいいます。

●「単極型うつ病」・・・うつ状態となる病相期がある一定期間続いたあと、中間期として正常な期間があり、その後またうつ状態となる病相期がおとずれます。
●「単極型躁病」・・・躁状態となる病相期がある一定期間続いたあと、中間期として正常な期間があり、その後また躁状態となる病相期がおとずれます。
●「双極型うつ病」・・・これには2つあり、一時的に正常に戻りながら、躁病相とうつ病相を行ったり来たりする場合と、正常期間をもたずに躁病相から一気にうつ病相へ、またうつ病相から一気に躁病相へと移行するものです。