器質性精神障害

器質性精神障害

脳に外傷を負うと、脳震盪(のうしんとう)による意識障害がみられることがしばしばあります。この状態が長くなると、回復したあとも、めまいや頭痛、うつ状態などの自覚障害が継続することがあります。

器質性精神障害の治療は、症状によって薬物療法(抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠薬、など)が用いられます。最近は、脳代謝改善薬や、神経伝達改善薬、さらに漢方薬を用いることもあり、効果が認められつつあります。
ただし、アルツハイマー型ちほうや脳血管障害型のちほうの場合、進行を食い止めるのが困難になります。早めの診断、治療の開始が必要です。

躁うつ病や統合失調症(かつては、精神分裂病と呼ばれていた疾患)は、はっきりとした原因がわからず、精神医学の世界では、内因性の疾患として分類されます。それに対してもう少し症状が軽く、心理的な要因(環境が重視されます)による心の不調を、心因性疾患(神経症(ノイローゼ))と言います。
さらにもうひとつ、頭部外傷後遺症や脳炎後遺症といった、脳の物理的・化学的な外傷が加わったことで起こるやまいを「外因性疾患」といいます。
このなかには、アルコールや睡眠薬などの薬物中毒や、内分泌障害などによる精神障害も含まれます。

器質性精神障害

脳血管障害など、脳の器質的疾患や頭部外傷が原因で起こる、うつ状態や、せん妄、幻覚・妄想、興奮、ちほうなどの精神状態を「器質性精神障害」と呼びます。