初老期うつ病

初老期うつ病

40歳代~50歳代の初老期に発病する「初老期うつ病」は、「単極型うつ病」です。40歳代~50歳代というと、男女ともに身体的な衰えが顕著になりはじめる時期であり、社会的にも重要な地位に就いたり、子育てがひと段落ついたり、といった変化が多く、それが引き金となってうつ状態に陥るケースが多いようです。

原因がはっきりしない単極型うつ病が多いなかで、初老期うつ病は、こうした身体的変化・不調や、社会的・環境的変化の影響が大きいことが特徴です。
たとえば、今まで何でもなかった階段の上り下りがきつくなったり、老眼が始まったり、と、年齢の衰えがいやがおうにも現実となってきます。
また、精神的負担ではあったものの気持ちに張りをもたせてくれていた子どもの受験や、結婚、就職、あるいは自分自身の昇進や配置転換といった環境の変化がうつ病の引き金となることもあります。

躁うつ病には、躁状態とうつ状態が交互に繰り返される「双極型躁うつ病」と、躁状態とうつ状態のいずれか一方が単独で現れる「単極型」(「単極型躁病」と「単極型うつ病」)があります。20歳未満の場合は、双極型が多く、30歳代以後では「単極型」が多くなります。ただし「単極型」という場合、ほとんどがうつ状態だけのパターンで、「単極型うつ病」です。

躁うつ病の発病年齢(初めて症状が現れた年齢)は、20歳代が最も多く、次に30歳代へと続きます。しかし、近年注目されているのが、子どもの発病と、40歳以後の発病です。40歳以後の発病を特に「初老期うつ病」と呼ぶことがあります。